About Yoga

About Yoga

ヨガについて-About yoga-

introduction
はじめに

多くの女優やモデルを筆頭に、美を追求する人々から愛され続ける「ヨガ」。
最近では心理療法など医療面からも注目されており、老若男女問わずヨガ人口は増え続けています。
とはいえ初めて取り組む人にとって、ヨガはややハードルが高いもの。どんなことをするのか、体が固くても大丈夫なのかなど、時間がない、たくさんの不安があると思います。
そこでまずは、「ヨガとは何か」を知るところからはじめてみましょう。ヨガの歴史や内容について知ることで、ヨガに対するハードルが少しだけ下がるかもしれません。

origin
ヨガの起源-Origin of yoga-

ヨガの起源は、なんと今から約4500年前。紀元前2500年ごろ、インド地方のインダス文明から生まれたと言われています。当時のヨガは現代のようにポーズをとるものではなく、瞑想を行うことが主流。その姿が記された出土品が、インダス文明の遺跡「モヘンジョ・ダロ」から多数発見されたことにより判明しました。
その後、インドに南下してきたアーリア人によって、ヨガはさらなる発展を遂げます。紀元前300年ごろには、「ヨガ」という言葉が明確に確認されており、社会的な修行法として確立されたことがわかりました。
しかし、ヨガが体形的にまとめられたのは、もっと後の2~4世紀頃。インドの哲学者パタンジャリによって、ヨガの根本経典である「ヨーガ・スートラ」が編纂されます。この時点でもまだ、現在のようなポーズを中心としたヨガではなく、瞑想や座法を中心とした静的なヨガでした。

development
ヨガの発展-Yoga development-

ヨガが現代のような形に近づくのは、紀元後10世紀~13世紀頃。ゴーラクシャ・ナータが開祖し広まったという説と、インドの密教徒達により始められたと言う説がある。
ヨガの中心であった瞑想や座法に加え、ポーズと呼吸法に重きをおく「ハタ・ヨガ」が誕生します。このハタ・ヨガが、現在も多くの人に親しまれているヨガの原型です。
「ハ」は太陽、「タ」は月を意味し、陰と陽のバランスを取ることで心身のバランスを整えることを目的としました。
この2つの言葉の意味を組み合わせることによって、「ハタ」は「太陽と月」、「陽と陰」、「精神性と生命力」と解釈することができる。
ハタヨガは、肉体的な「姿勢」(ポーズ/アサナ)と「呼吸法」(プラーナヤーマ)を中心としたスタイルで、数々のヨガ流派の元祖とも言えるヨガである。
つまり、ヨガは瞑想を行うことを起源とし、体を動かす要素はずっと後に取り入れられたのです。

pose
ポーズ(アーサナ)だけがヨガではありません!-Pose (asana) is not only yoga!-

ヨガはポーズからではなく、瞑想から始まったということがここまででお分かりいただけたと思います。現代ではダイエットや姿勢改善を目的としてヨガに取り組む人が多くいますが、本来の目的はそこではないのです。ヨガの最終的な目的は、「精神と身体の安定を図り、悟りを開く」こと。もっとわかりやすく述べると、「心と体のバランスを整えて幸せになること」ということです。そして、そのために必要なことが、上記でご紹介した「ヨーガ・スートラ」に「ヨガの八支則」として8ステップ記されています。その中でポーズをとることは、3ステップ目の項目。つまり、ポーズはヨガの一部にしかすぎません。では、最初の1,2ステップはどのようなものなのでしょうか。次項でご紹介します。

mind
ヨガを実践する第一歩は“心がけ”-The first step to practicing yoga is “mind”-

「ヨーガ・スートラ」に記されたヨガのファーストステップは、なんと社会的な心得なのです。続くセカンドステップは、社会的な行動規範。「ヤマ=日常生活で行ってはいけないこと」「ニヤマ=日常生活で実践すべきこと」に分けられ、それぞれ5項目ずつあります。

日常生活で行なってはいけない5つのこと-Five things that should not be done in daily life-
ヤマ/ 禁戒-Yama / Prohibition-
  • アヒムサ…非暴力、不殺生-Ahimsa…non-violent, non-killing-
  • どんな生き物も殺してはいけないということ。菜食主義的思考のことも指す。また、行動だけでなく、暴力的なを考えたり、他人を傷つける発言をしたりなど、思考や言葉のレベルでも同様。
  • サティヤ…嘘をつかない-Satya…don’t lie-
  • 自分の利益を守るために、嘘をついてはいけないということ。ただし、誰かを傷つけるようなことであれば、真実であっても言わなくてよい。その場合は、言わない理由を正直に述べることが重要とされる。
  • アスティヤ…不盗-Asteya…not stealing-
  • 他人の所有物を盗んではいけないということ。物はもちろん、約束の時間に遅刻したり、相手の話をさえぎって自分話したりなど、時間や権利なども含まれる。
  • ブラフマチャリヤ…禁欲-Brahmacharya…abstinence-
  • エネルギーの無駄遣いをしないということ。もともとは性欲のことを指すが、現代では食べ過ぎない、物を持ちすぎないと言ったエゴを満たそうとる気持ちのことも指す。エネルギーは必要なときに必要なところに集中させるため、といった考えがベースにある。
  • アパリグラハ…不貪-Aparigraha…sterility-
  • 何かを必要以上に所有するような、貪欲さを捨てること。執着心を捨て、手放し上手になることのすすめ。物を持ちすぎず、現状に満足しようという心がけのこと。
日常生活で実践すべき5つの行い-Five things to do in everyday life-
ニヤマ/ 勧戒-Niyama / Admonition-
  • シャウチャ…清浄-Saucha…Clean-
  • 自分の身体と心、身の回りをいつもきれいな状態に保つこと。身だしなみを整えることも含まれる。
  • サントーシャ…満足、知足-Santosha…satisfied, acquaintance-
  • 今あるものや現状に満足すること。足りているということを知ること。そしてその現状に感謝することも大切とされる。
  • タパス(Tapas)…苦行、自制-Tapas…Hardship, self-control-
  • 精神鍛錬のために、難しかったり苦しかったりするトレーニングや勉強を行うこと。また、人生で起こり得る様々なな問題や試練を受け入れる強さを養うことを指す。
  • スヴァディアーヤ…読誦、学習、向上心-Svadhyaya…reading, learning, ambition-
  • ヨガの経典を読むこと。現代では、自分を善い方向に導いてくれる本を読むことも指す。
  • イーシュワラ・プラニダーナ…自在神記念、信仰-Ishvarapranidhana…freedom God Memorial, Faith-
  • 神や自然、自分の周りに起きている全てのことに感謝して、受け入れるということ。

以上のヤマ・ニヤマを日々心がけ、実践することが、ヨガの第一歩。「ヨーガ・スートラ」の中には、上記ができていないとポーズをとる資格すらないという記述もあるほど、大切な教えとされています。

asana
現代で広く親しまれる“アーサナ”-“Asana” widely used today-
アーサナ…坐法-Asana…sitting-

アーサナとは、いわゆるヨガのポーズのこと。瞑想を行うための姿勢や道具を指す「アース」が語源と言われています。このことからも、ヨガの起源がポーズではなく瞑想であることがわかります。現在はダイエットや姿勢改善を目的としアーサナを行うヨガスタジオが多く存在するため、アーサナは体験したことがあるという方は多いのではないでしょうか。
そんなアーサナを実践するうえで大切なのは、「安定感」と「快適さ」。この2つを得られる状態が理想的と言われていますが、これは体が柔らかければできるというものではありません。そもそもヨガとは、心と体を結びつけることで幸せになることを目的とした修行法。つまり、身体機能だけではなく心の調整も重要であり、なおかつその2つがしっかりと結びつくことが大切なのです。これは「Yoga」の語源が「Yuju=結びつける、繋ぐ」であることからもお分かりいただけるかと思います。

step
アーサナ以降のヨガのステップとは?-What is the yoga step after asana?-

ヨガのはじめの3ステップは、心得と行動とアーサナ。では、それ以降はどのようなものがあるのでしょうか。段階的に説明いたします。

プラーナヤーマ…呼吸法・調気法-Pranayama…breathing method / aeration method-

「プラーナ=生命エネルギー」「ヤーマ=コントロール」。つまり、プラーナヤーマとは「呼吸」を意味します。呼吸は、瞑想を深める上で非常に大切なもの。正しい姿勢がより深い呼吸へ導くため、アーサナの次のステップとされています。
ヨガにはたくさんの呼吸方法が存在しますが、いずれも心を落ち着ける、体内のエネルギーのバランスが整えるなど、たくさん作用があります。また、たくさん酸素を取り込むことで、血液や脳にいい影響をもたらすというメリットも。現代社会においても活用できるヨガのひとつです。

プラティヤハーラ…感覚の制御-Pratyahara…sense control-

アーサナや呼吸を通し、感覚を研ぎ澄ますこと。五感で受け取る外側からの感覚だけでなく、自分自身へと向けた内的な感覚を高めることが重要です。体調の変化や違いに気づき、それを受け入れていくことでより深い瞑想へと導かれると言われています。

ダーラナー…集中・精神統一-Dharana…concentration / mental unification-

簡単にまとめると、1点に向けて気持ちを集中させること。心が集中すればするほど、大きなパワーが生まれるといわれています。

ディヤーナ…瞑想-Dhyana…meditation-

上記のプラティヤハーラとダーラナがより深まった状態を指します。雑念から解放された、いわば「無我の境地」に達すること。サンスクリット語で「瞑想」を意味し、仏教の「禅」はの語源とも言われています。

サマーディ(Samadhi)…悟り-Samadhi…enlightenment-

ここが、ヨガの最終目標。よく「悟りを開く」と言いますが、煩悩から解放された状態を表します。心身のバランスが十分にとれた状態で、瞑想が深まるとこの境地に達すると言われています。

以上がヨガの8ステップです。プラーナヤーマ(呼吸法)までは簡単に取り入れられそうなものの、プラティヤハーラ(感覚の制御)以降は、理解するのがやや難しいかもしれません。まずはなじみやすいところからはじめてみるというのもおススメです。

in conclusion
おわりに

ヨガの起源や歴史、そして「ヨガとは一体何か」について、ご理解いただけたでしょうか?とても重要なことにもかかわらず意外と知られていないのが、「ヨガ=ポーズをとること」ではないということ。本来の目的はダイエットや姿勢改善ではなく、「心と体のバランスをとる」ということなのです。
具体的には「調和」「統一」「バランス」を意味し、体・心・呼吸・食べ物など、あらゆるカテゴリーと関係しています。
つまり、体が固くても心配はありません。大事なことは、呼吸がとても大切です。
単に酸素と二酸化炭素の交換の意識に留まらず、気をコントロールするという意識で行うことで活力と集中力が増し、心と体を統合します。
正しいヨガの実践は、呼吸が「心と体の架け橋」であることを体感でき、実践し続けることで、健康増進、精神安定、回復能力が得られ、真の意味での健康な人間になることができるのです。
まずは、“心がけ”です。「ヨガをはじめたいけど、ちょっぴり不安…」という方は、ヤマ・ニヤマの実践からはじめてみてはいかがでしょうか。
心の準備が整えば、自然と体の準備も整うもの。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひトライしてみてください。
そこから少しづつ、ポーズを行うことで日常使っていない関節、筋肉などを動かしますので、脳の様々な分野が刺激され生命力が覚醒していきます。
呼吸に集中することで体や心や意識面における色々な「気づき」を生みだしますから、積極的な思考、忍耐力、行動力、安定力が身につき人生を前向きにとらえることができます。
焦らず続けていきましょう。気になるようなら少し休むことも大切ですが、体の内側では喜んでいることを感じましょう。